いくら、本当に必要ですか
年商は目標ではなく、結果です。という話。
「いくら稼ぎたいんですか」とよく聞く。
「うーん」たいてい詰まる。
しばらくして出てくる数字が、400万円だったり、1,000千万円だったり、10億円だったりする。
聞くたびに違う。多ければ多いほどいいという顔をする。
「じゃあ、その1,000万で何をするんですか」
と重ねて聞くと、今度は完全に黙る。
使い道の決まっていない金額を、なぜか本気で欲しがっている。
経営者に限らない。副業をしている人、今の経済力に満足していない人ほど、この現象が起きる。
僕の周りでは、これが日常茶飯事だ。
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売上至上主義の泊まり込み
僕は創業直後のベンチャーにいたことがある。
社長、副社長、社員2人、そして僕。5人だけの会社だった。
売上がすべての世界。1週間、会社に泊まりっぱなしで働いた。
寝るのは会議室。風呂は近所の銭湯。それをどこかでかっこいいと思っていた。
売上は伸びた。評価もされた。僕が辞めるころには、会社は20人規模になっていた。
その後、個人で圧倒的な成果を出して、報酬もついてきた。ある程度のものは買えるようになった。
じゃあ幸せだったかというと、トレードオフで失ったものがある。
時間である。
報酬は、また稼げる。
時間は、取り戻せない。
行けなかった結婚式がある。断り続けた誘いがある。親と飯を食う回数も、確実に減った。
あとで埋め合わせればいいと思っていた。でも、その日は二度と戻ってこない。
これに気づくのに、だいぶかかった。
忙しいのは、儲かっている証拠じゃない
よく勘違いされるが、忙しさは成功の証ではない。
たいていの場合、なんとなくで行き着いた結果である。
必要な額を決めていないから、仕事を断るや選ぶ基準がない。
基準がないから、来た仕事を全部取る。
全部取るから、時間がなくなる。
そして
「稼いでないのに、しんどい」と「稼いでいるのに、しんどい」
どちらかが完成する。
念のため言っておくと、これは他人の話じゃない。僕がそうだった。
当時の僕に「必要な額はいくらですか」と聞いても、たぶん答えられなかった。
基準がないから断れないし、選べない。断れないから、休めない。
年商1,000万円の成功者と、年商10億円の不幸な人
年商1,000万円。利益が残って、家族との時間があって、望む仕事をしている人。
年商10億円。毎日苦しくて、家に帰れなくて、心身が削れている人。
どっちが成功者か。
世間は後者を取材する。SNSで伸びるのも後者だ。数字がでかいほうが、絵になるからである。SNSも一緒だ。
でも僕は、前者が成功だと思っている。
売上の大きさと、人生の豊かさは、別の話なのだ。
利益は、お金じゃない。選択肢だ
じゃあ、利益はいらないのかというと、そんなわけがない。
手元に残るお金は、ただの数字じゃない。選択肢だ。
嫌な仕事を断れる。しんどいときに休める。会いたい人に、会いに行ける。新しいことに挑戦できる。子どもの進路を、金銭的な理由で狭めずに済む。
利益は、そういう「できることの数」に変わる。
だから、稼ぐことは正しい。堂々と稼げばいい。
ただし、必要な選択肢の量は、人によって違う。
家族構成も、住みたい場所も、やりたいことも違うのだから、当たり前だ。
他人と同じ金額を目指す理由が、どこにもないのである。
「いくら必要か」を知らないから、いくら稼いでも終わらない
問題の根っこはシンプルで、多くの人は自分に必要な売上を知らない。
生活費、事業への投資、家族の費用、将来への備え。ここから逆算すれば、必要な売上は計算できる。
計算したことがないから、目標が「なんとなく」になる。
なんとなくの目標は、達成しても満足できない。
必要な売上を知らない経営者は、いくら稼いでも満足することがないのだ。
ゴールのないマラソンを、全力で走っている。
そりゃ苦しいだろ。
「多いに越したことはない」と言われるけれど
こう書くと、必ず言われる。
「でも、お金は多いに越したことないでしょ」
わかる。僕もそう思っていた。
ただ、多く稼ぐことと、いくら必要かを知っていることは、矛盾しない。
必要額を知ったうえで、それ以上を狙うのは自由だ。むしろ、そのほうが強い。
問題は、知らないまま走ることのほうだ。
ゴールを知らずに走ると、どこで休んでいいかわからない。
だから止まれない。
それは「稼いでいる」んじゃなくて、「止まれない」だけである。
止まれない人は、いつまでも「もう少し」と言い続ける。
もう少し稼いだら休む。もう少し軌道に乗ったら家族と過ごす。
その「もう少し」に終わりが来たのを、僕は見たことがない。
年商は目標ではなく、結果である
誤解しないでほしいけど、売上を伸ばすなという話ではない。
売上は人生を支える土台だ。なければ自由もない。
順番の話をしている。
どう生きたいかが先。売上はその後。
人生から逆算すれば、あなたに必要な売上が出る。それが1,000万円なら、1億を追う必要はない。それが2億必要なら、堂々と2億を追えばいい。
他人の目標ではなく、自分の数字を定める。
それだけの話である。
最後に、一つだけ持って帰ってほしいことがある。
今夜、紙を一枚用意してほしい。
どんな人生を、どんな生活を、どんな時間を過ごしたいのか。
その上で、生活費、事業への投資、家族の費用、将来への備えを書き出して、足し算する。
生活費は、見栄を張らずに、実際に毎月出ていく額で。事業への投資は、来年やりたいことから逆算して。将来への備えは、何歳までにいくら残しておきたいかで決める。
面倒ならざっくりでいい。桁が合っていれば、それで十分だ。
出てきた数字が、あなたに必要な売上だ。
やってみると、たいてい二つのどちらかになる。
思ったより少なくて拍子抜けするか、思ったより多くて青ざめるか。
どっちでもいい。大事なのは、その数字が「あなたの数字」だということだ。
それが、あなたの基準になる。
「いくら欲しいですか」と聞かれて、数字がコロコロ変わるうちは、まだ自分の基準を持っていない。
いくら、本当に必要ですか。


多くの人がお金は道具ではなくて、成果物だと思っている。
稼ぐことと(売上)と利益とキャッシュの区別がついていない。
稼ぐことが目的となっているので、本当に必要な金額がわかっていない。
お金の勉強をして欲しいですね。
売り上げを追求しても幸せとは、離れていくように感じましたね。
好きな釣りをする時間も家族との時間も減り、仕事だからしょうがない。
こんな言葉を使い始めて、お金と時間が天秤にかけられることがあってから、必要なお金を考えるは必要なことですね!